睡眠不足でお悩みの方、たくさんいるかと思います。そんな睡眠不足を解消するために1日に何時間の睡眠時間をとるのが適切か、色々な情報がありますよね。6時間であったり、8時間であったり…今回は、一般財団法人日本ふとん協会のまとめに従って適切な睡眠時間を紹介します。そして睡眠時間が十分にとることが出来ない場合の危険性についてもまとめました。

1、1日何時間の睡眠が必要なの?

多くの人は「健康のためには1日8時間の睡眠が必要である」と考えていますが、実際にその根拠となる証拠はほとんどありません。

【check!健康に支障を生じない睡眠時間】
・成人で6.5時間~8時間程度
・人それぞれ特性が違うので睡眠時間も個体差がある

では、どのような方法で調べるのでしょうか。睡眠時間が6時間以下のショートスリーパー(短眠者)と、睡眠時間が9時間以上のロングスリーパー(長眠者)を分けて考える方法や、対象者の属する集団(特定の年齢層など)の平均値から±1.5標準偏差以上偏った者を選定する方法があります。更に、睡眠時間が短いことが当たり前となっている現代日本の睡眠習慣を考えると、ショートスリーパーについて考えるときは注意が必要です。

2、ショートスリーパー(短眠者)とロングスリーパー(長眠者)、どっちの方がいいの?

睡眠時間が6時間以下のショートスリーパー(短眠者)、9時間以上のロングスリーパー(長眠者)を比べると、多くの人は長く睡眠時間が確保できるロングスリーパー(長眠者)の方が良いと思うでしょう。しかし、確実にそうとは言えないのです。

【check!ショートスリーパー(短眠者)の睡眠は相対的に効率的でコンパクト!】

ショートスリーパー(短眠者)とロングスリーパー(長眠者)の睡眠の構造を比較してみると…
・徐波睡眠の出現量は同じ
・レム睡眠の出現量はロングスリーパー(長眠者)が多い

しかし、入眠後6時間で比較してみると…
・レム睡眠の出現量はショートスリーパー(短眠者)が多い
・ロングスリーパー(長眠者)は消灯から就寝までの時間が延長、夜中に目覚めてしまう中途覚醒回数の増加、起床時の不快感などがある

睡眠についての用語がたくさんあり難しい内容かもしれません。順番に説明すると、徐波睡眠はノンレム睡眠の中にある段階のことで睡眠前半に多く出現し、比較的深い睡眠と言われています。レム睡眠とは、脳以外が眠っている状態で眼球が盛んに動く眠りです。夢を見ている時もこのレム睡眠をしています。

まとめると、長く睡眠時間をとった人にも影響が出てくるのです。長すぎる睡眠も良いというわけでは無いということですね。

3、短すぎるのは危険?

【check!5時間を切る睡眠は危険】
今までの結果を見て、睡眠時間を短縮して睡眠効率をあげようという目的で、5時間を切るような超短時間睡眠法を提唱する説もあります。しかし、健常成人ではショートスリーパーとロングスリーパーの比率は極めて少なく、大人数の成人が必要とする睡眠時間は7時間程度という知見があるので超短時間睡眠法にはリスクがあると考えられているのです。

睡眠不足は睡眠障害や他の疾患による睡眠妨害によるものだけではなく、不適切な生活習慣などによって睡眠に必要な時間を確保できないことや、交替勤務などによってまとまった睡眠を夜間に規則的にとれないことも大きな要因なのです。

【check!睡眠不足の危険性】
・免疫機能への影響(風邪をひきやすくなる、感染症にかかりやすくなる、アトピー性皮膚炎や花粉症の発症)
・効率的な身体回復機能への影響(身体的疲労回復が不十分、肌荒れトラブル、子供の心身の成長を阻害)
・生活習慣病のリスクへの影響(高血圧症、虚血性心疾患、脳血管性認知症、)
・大脳機能への影響(脳機能の低下)

主に上記のような影響が出てきます。他にも、生活習慣病に関して「肥満」の危険性もあります。8時間の睡眠をとった人と5時間の睡眠をとった人では、食欲をあげるホルモンのグレリンが14.9%増加し、食欲を抑えるホルモンのレプチンが15.5%減少するという結果がでているのです。つまり、食欲がどんどん増していくということですね。

また、眠気や朝食欠食により日中に活動量が減って覚醒時のエネルギーが低下していってしまいます。それだけでなく、睡眠欲求が強いと糖質代謝がエネルギー蓄積方向に切り替わって脂質として体内に蓄えられてしまうのです。こうして肥満になり、それが原因で生活習慣病の様々な病気にかかってしまう危険性もあります。

睡眠時間が短すぎる睡眠不足は、身体の影響が大きくとても危険だということがわかりますね。

4、歳をとると睡眠時間は変化していく?

【check!加齢とともに睡眠時間は減少していく】
睡眠の加齢変化は30歳代頃からしだいに顕在化していき、高齢者だと睡眠を維持する機能が衰えていきます。詳しく説明すると、徐波睡眠の量が減少していくと夜中に起きてしまう中途覚醒時間とその回数が増加して睡眠効率が減少していきます。結果的に、総睡眠時間は10年ごとに約10分減少しているのです。

もちろん個人差があります。睡眠構造やリズム振幅の加齢変化は単に平均値が変化するというわけではないのです。高齢者になっても若者とさほど変わらない睡眠ができる人もいます。自分のライフスタイルや生活環境の影響をしっかりと認識することが何より重要です。歳をとってもしっかりと睡眠時間がとれる生活ができるように、生活リズムを整えていくようにしましょう。

5、6.5~8時間の睡眠を心がけましょう

今の日本は、24時間活動することに違和感がない時代になってきています。睡眠時間が短く睡眠不足になっても平気だろうという考えが当たり前になったのです。良質な睡眠をすれば充実した生活が送れますし、不良睡眠なら集中力の低下などによって失敗ばかりしてしまいます。ここまで話してきたように、睡眠不足によって引き起こす影響は様々です。また、寝すぎることもよくありません。夜間に6.5~8時間の睡眠を規則正しくとることが一番大切なことです。

出典:睡眠環境と寝具『睡眠編』、睡眠環境と寝具『寝具編』/一般財団法人日本ふとん協会