睡眠不足の悩みがある方、1日どれくらいの睡眠時間をとればいいのか知っていますか?6時間の睡眠時間があれば大丈夫だという情報もよく耳にしますが、本当に良いのでしょうか。今回は、一般財団法人日本ふとん協会のまとめに従って適切な睡眠時間を紹介します。

1、6時間睡眠は良いの?

1日6時間の睡眠は適切だ、という情報は本当なのでしょうか。

【check!健康に支障を生じない睡眠時間】
・成人では6.5時間~8時間程度(米国の100万人以上の調査結果2002年)
もちろん人それぞれ特性が違うので睡眠時間も個体差がありますが、6時間では十分な睡眠がとれていないということがわかりますね。

6時間睡眠は目覚めが良いと感じる方も多くいるようですが、脳波を見てみると実は2日徹夜していた時と同じだったという研究結果も米国から報告されています。

2、短すぎる睡眠は危険?

睡眠時間は、脳の老廃物を排出するための掃除の時間にあたります。睡眠時間が6時間のショートスリーパー(短眠者)はこの掃除の機能が上手くいかずに、睡眠不足が蓄積された睡眠負債となってしまいます。睡眠負債は脳の機能の低下や健康のリスクに大きな影響をもたらします。

【check!睡眠不足の危険性】
・免疫機能への影響(風邪をひきやすくなる、感染症にかかりやすくなる、アトピー性皮膚炎や花粉症の発症)
・効率的な身体回復機能への影響(身体的疲労回復が不十分、肌荒れトラブル、子供の心身の成長を阻害)
・生活習慣病のリスクへの影響(高血圧症、虚血性心疾患、脳血管性認知症、)
・大脳機能への影響(脳機能の低下)

主に上記のような影響が出てきます。他にも、生活習慣病に関して「肥満」の危険性もあります。8時間の睡眠をとった人と5時間の睡眠をとった人では、食欲をあげるホルモンのグレリンが14.9%増加し、食欲を抑えるホルモンのレプチンが15.5%減少するという結果がでているのです。つまり、食欲がどんどん増していくので体重も増えていってしまいます。

また、眠気や朝食欠食により日中に活動量が減って覚醒時のエネルギーが低下していってしまいます。それだけでなく、睡眠欲求が強いと糖質代謝がエネルギー蓄積方向に切り替わって脂質として体内に蓄えられてしまうのです。こうして肥満になり、それが原因で生活習慣病の様々な病気にかかってしまう危険性もあります。

また、5時間を切る睡眠はより危険ということもわかっています。睡眠時間を短縮して睡眠効率をあげようという目的で、5時間を切るような超短時間睡眠法を提唱する説もあります。しかし、健常成人ではショートスリーパー(短眠者)とロングスリーパー(長眠者)の比率は極めて少なく、大人数の成人が必要とする睡眠時間は7時間程度という知見があるので超短時間睡眠法にはリスクがあると考えられているのです。少しでも睡眠時間をとっているから大丈夫だ、という考えは間違いです。

以上から睡眠時間が短すぎる睡眠不足は、身体の影響が大きくとても危険だということがわかりますね。

3、睡眠は長くとれば良い?

睡眠時間が短くなると睡眠不足になり色々なリスクが出てくることはわかりました。では、寝れば寝るほど良いということでしょうか。睡眠時間が6時間以下のショートスリーパー(短眠者)、9時間以上のロングスリーパー(長眠者)を比べると、多くの人は長く睡眠時間が確保できる長眠者の方が良いと思うでしょう。しかし、そういうわけではありません。

【check!短眠者の睡眠は相対的に効率的でコンパクト!】
短眠者と長眠者の睡眠の構造を比較してみると…
・徐波睡眠の出現量は同じ
・レム睡眠の出現量は長眠者が多い
しかし、入眠後6時間で比較してみると…
・レム睡眠の出現量は短眠者が多い
・長眠者は消灯から就寝までの時間が延長、夜中に目覚めてしまう中途覚醒回数の増加、起床時の不快感などがある

睡眠についての用語について説明すると、「徐波睡眠」はノンレム睡眠の中にある段階のことで睡眠前半に多く出現し、比較的深い睡眠と言われています。レム睡眠とは、脳以外が眠っている状態で眼球が盛んに動く眠りです。夢を見るタイミングはこのレム睡眠時です。

上記の通り長く睡眠時間をとった人にも良くない影響が出ることがわかります。長すぎる睡眠も良いというわけでは無いということですね。

4、適切な睡眠時間は?

では、身体や心のためにどのくらいの睡眠時間をとればいいのでしょうか。最初の方にも紹介しましたが、成人が健康に支障を生じない睡眠時間は6.5時間~8時間程度ということがわかっています。しかし、現代の日本は夜遅くまで残業をしたり夜更かしをすることに違和感がなく当たり前になっていている時代です。生活習慣的に睡眠時間が短くなっても仕方がないと思っている人も多いでしょう。

良質な睡眠をすれば充実した生活が送れますし、睡眠不足なら集中力の低下などによって物事が上手く行かなくなってしまいます。ここまで話してきたように、睡眠不足によって引き起こす影響は様々です。また、寝すぎることもよくありません。自分の身体や心のことをしっかり考えて、夜間に6.5~8時間の睡眠をとることを心がけていきましょう。

出典:睡眠環境と寝具『睡眠編』、睡眠環境と寝具『寝具編』/一般財団法人日本ふとん協会