現代では、睡眠時間をなかなか確保することが出来ないという方が増えています。睡眠をとらなくても平気だという考えが当たり前になってしまっているのです。しかし、睡眠不足でお悩みの方も多くいます。睡眠不足はとても危険です。睡眠不足にならないためにはいったい何時間の睡眠が適切なのでしょうか。長く寝れば寝るほどいいと思っている方もいるようですが、それは大きな間違いかもしれません。今回は、一般財団法人日本ふとん協会のまとめに従って理想的な睡眠時間を紹介します。そして睡眠時間は長いほどいいのかということについてもまとめました。

1、最適な睡眠時間は?

【check!健康に支障を生じない睡眠時間】
・成人で6.5時間~8時間程度
・人それぞれ特性が違うので睡眠時間も個体差がある

上記のように、大半成人の理想睡眠時間は6.5時間~8時間と言われていますが、実際人によっては6時間程と短めの睡眠(ショートスリーパー)や、逆に9時間と長めの睡眠(ロングスリーパー)で体調も万全になり気持ちよく目覚めることが出来る人もいます。人によって身体や脳のつくりが違うので個人差が出てきてしまうことは当たり前です。なので。自分の理想の睡眠時間はどのくらいなのかをしっかりと自覚することが何より大切なことです。

2、理想の睡眠とは?

理想の睡眠というのは、質が良い睡眠です。質の良い睡眠とは身体面だけでなく精神面にも良いとされる睡眠のことで、十分に眠れたと感じることが出来て爽快に目覚められる状態です。

質のいい睡眠は、身体は眠っているけれど脳は起きているレム睡眠と脳が完全に休んでいるノンレム睡眠の2つの眠りが関係しています。普段睡眠をとっている時、ノンレム睡眠とレム睡眠は60~110分程度の間隔で繰り返しながら、お互いの対照的な役割を補い合っています。目覚めを良くするためには、このレム睡眠のタイミングで起きるとすっきりとした目覚めになると言われています。2つの眠りのリズムは各々違うので、自分の体内時計を整えて自分のリズムを理解していくことが重要です。

3、睡眠時間が短いと危険?

適切な睡眠時間が確保できていないと睡眠不足となり、色々なリスクが発生します。

【check!睡眠不足の危険性】
・免疫機能への影響(風邪をひきやすくなる、感染症にかかりやすくなる、アトピー性皮膚炎や花粉症の発症)
・効率的な身体回復機能への影響(身体的疲労回復が不十分、肌荒れトラブル、子供の心身の成長を阻害)
・生活習慣病のリスクへの影響(高血圧症、虚血性心疾患、脳血管性認知症、)
・大脳機能への影響(脳機能の低下)

主に上記のような影響が出てきます。他にも、生活習慣病に関して「肥満」の危険性もあります。8時間の睡眠をとった人と5時間の睡眠をとった人では、食欲をあげるホルモンのグレリンが14.9%増加し、食欲を抑えるホルモンのレプチンが15.5%減少するという結果がでているのです。つまり、食欲がどんどん増していくということですね。

また、眠気や朝食欠食により日中に活動量が減って覚醒時のエネルギーが低下していってしまいます。それだけでなく、睡眠欲求が強いと糖質代謝がエネルギー蓄積方向に切り替わって脂質として体内に蓄えられてしまうのです。こうして肥満になり、それが原因で生活習慣病の様々な病気にかかってしまう危険性もあります。適切な睡眠時間をとっていないと身体の影響は大きく、とても危険だということがわかりますね。

4、長く寝れば寝るほどいいの?

長く寝れば寝るほど睡眠不足が解消されるからいいと思っている方も多いと思いますが、決してそういうわけではありません。

【check!短眠者の睡眠は相対的に効率的でコンパクト!】
短眠者と長眠者の睡眠の構造を比較してみると…
・徐波睡眠の出現量は同じ
・レム睡眠の出現量は長眠者が多い
しかし、入眠後6時間で比較してみると…
・レム睡眠の出現量は短眠者が多い
・長眠者は消灯から就寝までの時間が延長、夜中に目覚めてしまう中途覚醒回数の増加、起床時の不快感などがある

先ほども少し説明しましたが、睡眠時間が6時間以下の人をショートスリーパー(短眠者)、9時間以上の人をロングスリーパー(長眠者)と言います。その2つのタイプを比べた結果です。ちなみに、徐波睡眠とはノンレム睡眠の中にある段階のことで睡眠前半に多く出現し、比較的深い睡眠と言われています。長く睡眠時間をとった人にも様々な影響が出てくるのです。長すぎる睡眠も良いというわけでは無いということですね。

もちろん、個人差がありますので8時間の睡眠をとっても次の日に全然疲れがとれていない場合は睡眠時間が足りていないという場合もあります。あくまでも平均的なお話ですので注意をしてください。

最適な睡眠時間をとっていたのに、休みの日だからいつもよりもたくさん寝て起きた時に、寝すぎて眠たいと思うことやだるさを感じたという経験がある方もいるのではないでしょうか。なぜかというと、体内時計として身に付いた普段の睡眠のリズムが崩れてしまうからです。良い目覚めが出来る睡眠のリズムを見つけて最適な睡眠時間がわかったのに、睡眠時間は多い方が良いという勘違いをしてせっかく整えた体内時計を狂わせてしまいます。この機会に寝れば寝るほどいいという考えは違うということを覚えておきましょう。

5、自分の理想の睡眠時間を見つけよう

ここまで、適切な睡眠時間についてまとめてきました。睡眠が短すぎる時のリスクや、長すぎても良くないということがわかったと思います。自分の適切な睡眠時間は何時間なのか、それが理想の睡眠時間です。体内時計を整えて、自分の睡眠リズムをつかみ、質のいい睡眠を目指していきましょう。

出典:睡眠環境と寝具『睡眠編』、睡眠環境と寝具『寝具編』/一般財団法人日本ふとん協会