睡眠不足でお悩みの方、たくさんいると思います。睡眠不足を解消するためにまず睡眠について知っておいた方が良いでしょう。何となく聞いたことがある方もいると思いますが、睡眠には2種類の眠りがあります。このノンレム睡眠とレム睡眠の違いについて一般財団法人日本ふとん協会がまとめた情報をご紹介します。

1、 ノンレム睡眠って何?

【check!ノンレム睡眠の特徴】
・大脳機能の保全の役割
・免疫は回復する
・意識は高いものから低いものまで様々
・大脳の活動は低く、鎮静化している
・眠りの深さは浅い状態から深い状態まで様々
・成人の出現率は75~80%
・第1睡眠周期で深い睡眠段階が最も多く現れる
・ホメオスタシスの影響を受ける
・筋緊張は低下する
・呼吸や血圧は低下していく

ノンレム睡眠の主な特徴としては上記の点が挙げられます。順番に説明していきたいと思います。

ノンレム睡眠は脳を休めるための睡眠と言われています。思考や記憶など様々な能力をつかさどる大脳皮質や身体を動かす時に働く交感神経などを休ませているのです。また、疲労回復や細胞などの修復再生などの身体に関するメンテナンスもしてくれます。睡眠のほとんどがノンレム睡眠ですが、1番深い眠りとしては眠り始めて最初の90分ということがわかっています。このタイミングに起こされた場合、頭がぼーっとしてしまいなかなか目覚めることができません。

さらにノンレム睡眠はホメオスタシスの影響を受けることが研究でわかっています。ホメオスタシスとは生物の重要な性質のひとつで、生体の内外部で環境が変化した際にそれらの環境変化に対応できるように、生体の状態を一定に保とうとする生体の仕組みです。恒常性維持とも呼ばれます。時刻にほとんど変わりなく体内の様々な状態をそれぞれの目標値に維持できるよう、調整することができます。ノンレム睡眠においてはこのホメオスタシスの仕組みがとても重要になります。

筋緊張については体の筋肉が持続して適度な収縮をし、張りを備えている状態のことです。姿勢保持機能や体温調節機能に関わっていますが、ノンレム睡眠ではこの機能が低下していきます。そのため呼吸や血圧は低下していきます。

上記のことからわかるように、大脳や体の筋肉などの活動を低下させ脳と体をしっかりと休ませることができる睡眠がノンレム睡眠です。

2、 レム睡眠って何?

【check!レム睡眠の特徴】
・体の不動化
・情報の再編成、脳の整備点検
・意識は比較的に高い
・大脳は活性化している
・眠りの深さは比較的に浅い
・成人の出現率は20~25%
・明け方に向かって出現が増加
・主に概日リズムの影響を受ける
・夢を見ることが多く、視覚映像的
・筋緊張は消失し、突発的な痙攣がある
・急速眼球運動をする
・呼吸や血圧が変動

続いて、レム睡眠について説明していきたいと思います。同様に、上記の点がレム睡眠の特徴です。

レム睡眠は起きている時と同じように脳が活動している状態です。記憶や学習などに関わる扁桃体や海馬と呼ばれる大脳辺縁系が主に活発で情報や記憶の整理が行われています。脳が起きている状態ということで、眠りの深さも比較的に浅い睡眠と言われています。寝ている間に夢を見たという経験をしたことがある方は多いと思いますが、その夢もレム睡眠中に多く発生しているのです。夢を見ている時にパッと目覚めてしまう点が睡眠が浅くなっている証拠です。また、夢を見ている時にピクっと痙攣する姿を目にしたことがあると思いますが、それもこのレム睡眠の性質のためです。

レム睡眠の出現率は成人で20~25%とノンレム睡眠と比べ、少ない割合となっています。そして概日リズムの影響を受けていることがわかっています。概日リズムとは24時間周期の体内時計のことです。起床にむけて、明け方に出現時間が増えていきます。

レム睡眠は体の睡眠と言われるほど、体をしっかりと休ませている状態です。ノンレム睡眠の際に説明した筋緊張が消失して、骨格筋もほぼ完全に弛緩してほとんどの力が抜けています。金縛りという怖い体験をしたという話も多くありますが、金縛りもこのレム睡眠中に起きることがわかっています。筋緊張の消失と骨格筋の弛緩により動けない状態になってしまうのです。

ノンレム睡眠とレム睡眠の最も大きな違いは、急速眼球運動の有無です。急速眼球運動とはまぶたを閉じている睡眠中に時折眼球がキョロキョロ動くことで、これの英語表記によりノンレム睡眠とレム睡眠の名前が付きました。レム睡眠はこの急速眼球運動を行っているのです。

3、2つの睡眠リズムを大切に

ノンレム睡眠とレム睡眠について紹介してきましたが、この2つの睡眠の違いについて今まで知らなかったことがあったのではないでしょうか。ノンレム睡眠とレム睡眠はそれぞれ異なる役割を分担しており、お互いのできないことを補い合っています。それぞれ60~110分程度(平均90分)の間隔で一晩3~6回程繰り返されて、睡眠のリズムを作り上げているのです。この2つのリズムは睡眠の質にも重要なポイントであり、リズムが狂うと睡眠不足の原因にもなってしまいます。2つの睡眠をしっかり理解していると、自分の睡眠リズムができてより良い睡眠になると思います。

出典:睡眠環境と寝具『睡眠編』、睡眠環境と寝具『寝具編』/一般財団法人日本ふとん協会