みなさんは夜寝る時に電気を消していますか?それとも電気を付けたまま明るい状態で寝ていますか?明るいと眠れないという人もいれば、真っ暗にすると眠れないという人もいると思います。寝る時の部屋の明るさは睡眠に影響しているのです。明かりと睡眠の関係について、一般財団法人日本ふとん協会がまとめた情報をご紹介します。

1、 光の役割は?

日常の生活空間における「光」は、可視光波長域(目で見える光の範囲のこと。約380~780nmの波長範囲。)を中心とする自然光あるいは人工照明光であり、対象物の形や色を認識するために必要な「あかり」としての役割が大きいと考えられています。しかし、ヒトにとって「光」の役割は「あかり」だけでなく、他の生物と同じように生命活動に直結する生理的な役割があります。

眼球に入る光の情報は、網膜の様々な光受容器(光刺激を感受する器官)で電気信号に変換され、視神経を通って脳に伝達されます。そして「あかり」としての信号が大脳に伝わる途中で分岐をします。この途中で分岐した光の信号が、色々な所に影響をもたらすのです。

【check!光の信号の影響】
・体内時計の調節
・直接的な脳の覚醒作用
・交感神経(内臓や血管、消化器などに分布する神経)の亢進作用
・夜間に分泌されるメラトニンの生合成を抑制
総じていうと、覚醒する方向の生理的作用を視覚情報処理とは無関係にもたらすことが知られています。

このような生理的作用は非視覚的(非イメージ形成的)生理作用と呼ばれています。眼球で受ける光の量や時間が増えるほど覚醒方向に刺激が増えますが、それらの作用はその光をどう感じるか(好き嫌いなど)とは無関係に生じる、ということが特徴的です。睡眠環境の中で光環境を考えると、朝は目覚めを助ける、日中は覚醒維持のために光を活用する、夜は余分な覚醒作用を生じないように不必要な光を減らす、就寝時には極力暗い環境を確保する、ということが原則となっています。光を感じることで体内時計が調整されているということですね。

2、 光の色も関係する?

普段生活していると、「光」でも様々な色がありますよね。その色にも覚醒作用との関係があります。生活空間での光環境において「あかり」としての役割を担う光源としては、自然光と人工光どちらも、可視光領域の中で複数の波長帯域を含み特定の色に偏って見えない白色光が用いられています。

【check!青白い色は覚醒作用がある】
光源の種類によって非視覚的生理作用をもたらしやすい順位がだいたい決まると考えられています。相関色温度(電気照明の光源の色度)が高くなるほど、その光源に含まれる短波長(青色)側の成分が多くなるので、非視覚的な覚醒作用も相対的に増大していきます。現代では当たり前になってきたLEDライトにも注意をしなければいけません。

就寝時は青白い寒色ではなく、あたたかいと感じるような暖色の光の方が、睡眠にはいいとされています。

3、 寝るときは暗くした方が良い?

1940年代~1990年代の研究によりわかったことは、夜間は眠りに入ろうとする心身状態を妨げないように覚醒方向の作用を弱める(受光量を減らす)必要があり、逆に昼間は覚醒維持を助けるように受光量を確保する必要があるということでした。さらに、光環境が心理的な違和感を生じないような相関色温度の光源を選択する必要があります。

千年前の睡眠習慣や光環境と比較研究などから、現代では夜間の室内の明るさが増えていき、自分の好きな時間に消灯時間を決められるようになりました。そのため、昼から夜への移行の薄明部分が消失して、人間にとって昼間に相当する時間が延長し、就寝起床時間の後退につながっているのです。昼間の受光量が不足するよりも、夜間の光が過剰になっていることの方がより深刻な問題と考えられています。

先ほどもLEDライトについて注意をするべきです。ということを説明しましたが、スマートフォンやパソコンから出るブルーライトというものも注意が必要です。これは人間が感じることが出来る光の中でも波長が短く、エネルギーが強く、広い範囲に広がりやすい光です。これを夜間に浴びることで、脳が夜と認識できなくなってしまい寝つきが悪くなり、途中で目覚めてしまう中途覚醒を招きます。LEDライトの他に、昼光色の蛍光ランプも同じです。健康的な睡眠を阻害してしまうので気を付けましょう。

夜間の生活行動における安全確保のためには、電気照明を全く利用しないわけにはいきませんし、寝るときに真っ暗では眠れないという人も多くいると思います。そのような時は、何となく周りがわかるような明るさの電球色の灯りをつけるといいですよ。

4、 適切な明かりで良い睡眠を目指そう

ここまで、睡眠と明かりの関係について明らかにしてきました。熟睡が出来る良い睡眠は、寝るときの明かりが大きく影響しています。体内時計をしっかり整えるために、寝るときは部屋をなるべく暗くするようにしましょう。そして、朝起きた時は太陽の光を浴びて、朝だということを体と脳に教えてあげることが大切です。

出典:睡眠環境と寝具『睡眠編』、睡眠環境と寝具『寝具編』/一般財団法人日本ふとん協会